ペンタックス・Super-Takumar 50mm F1.4（前期8枚玉）整備レポート【2209】

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PentaxのSuper-Takumar 50mm F1.4の中でも6群8枚のレンズ構成となる、いわゆる「8枚玉」と呼ばれる前期モデルになります。

ごく短期間だけ販売され、すぐに7枚玉のSuper-Takumar 50mm F1.4にモデルチェンジした8枚玉モデルは希少価値のあるオールドレンズとして人気です。

Super-Takumar 50mm F1.4（前期8枚玉）SKYLIGHTフィルター付属

前期の8枚玉と7枚玉を見分けるポイントは、赤外指標の位置です。

被写界深度目盛りの４の右側に赤外指標があることで前期8枚玉であることがわかります。

ちなみに、赤い菱形の距離指標は8枚玉、7枚玉共通ですが、最初期の8枚玉では下の写真のような形になっています。

さすがに発売から50年以上が経過したオールドレンズなので、よほどの極上品でなければ、外観はもとよりレンズ面のコンディションに全く問題無いという個体は殆ど現存していないのではと思います。

この個体は勿論、分解清掃していますが、どうしても除去しきれなかった腐食痕が残ってしまいました。

カビの生えた状態で現状販売されている個体だと、あまり気にならないかも知れませんが、付着物をキレイに除去すると、かえって腐食痕が気になり出すのは皮肉なものです。

とは言え、カビ・クモリありだけどノークレーム・ノーリターンでヤフオク出品されている個体よりはコンディションは良いのではないでしょうか。

勿論、これは私の主観ですので、写りに問題があるかどうかはテスト撮影の写真を参考にご判断いただければと思います。

外観コンディションをご確認下さい。

尚、フォーカス調整ダイヤル（ピントリング）はスムーズに動いています。

M42のようなスクリューマウントはピントリングが重いと、本体が供回りしてしまうので、他のプラチカマウントのレンズよりは少し軽いくらいが具合が良いようです。

そういう意味では、この個体のピントリングのトルク感は適正であると言えます。

もし将来的にピントリングの動きが渋くなるようなら当店にてヘリコイド部へグリスアップしますのでご安心ください。
（野村光学HPより購入された場合は無償メンテナンス保証がつきます）

外観コンディションをご確認下さい。

また、絞り羽根調整ユニットも問題なく動作しております。

この商品には、Pentax純正のSKYLIGHTフィルターが付属しますが、クリーニングしても除去しきれなかった若干の腐食痕が残っています。撮影には支障ないとは思いますが、その点、あらかじめご了承ください。

SKYLIGHTフィルターは、わずかに茶色というかピンクがかった色がついたフィルターで、日中の撮影時に写真が青っぽくなるのを補正します。人物撮影が多い方には有用なアイテムです。

Super-Takumar 50mm F1.4（前期8枚玉）SKYLIGHT フィルター付属

整備レポート

拭きキズのような痕と、周辺にカビが確認できます。

整備前（フロント側）

下はリア側から見た写真ですが、実は、後ろ玉はあまりダメージをうけておらず、この写真の光学系付着物は主に前玉のカビを後ろから見た状態になります。

整備前（リア側）

レンズ構成は6群8枚

整備後の状態を確認します

ダメージが多かったのは主に外側のレンズで、中の方は比較的キレイな状態が保たれていました。整備後はだいぶキレイになりましたが、前述したように、どうしても除去しきれなかった腐食痕が残ってしまいました。

整備後（フロント側）

キレイな写真だけお見せして販売するのは当店のポリシーに反しますので、なるべく腐食痕が目立つような角度で光を当てて撮影したのが下の写真です。

前玉よりも後ろ玉のキズや光学系付着物のほうが撮影に影響するようです。そういう意味では、この個体はリア側は比較的キレイな状態でしたので幸いでした。

整備後（リア側）

とは言え、注意深くアラ探しをすれば下の写真のような点々が確認できます。

整備後（リア側）

M42マウントのコンディションは良好です。スーパータクマーシリーズ特有のカメラ装着時オート有効ボタン（マウント部のメッキのピン）もシッカリ機能しています。
（ミラーレスに装着する場合は関係ありませんが・・・）

M42スクリューマウントの状態

ミラーレス機で使用する場合は

ペンタックス・Super-Takumar 50mm F1.4をミラーレス一眼で使用する場合は、お手持ちのカメラのマウント規格とM42マウントを変換するマウントアダプターをご用意下さい。

高価なものもありますが、私はAmazonで２千円くらいで買ったものを使っていますが、十分に満足しています。

ミラーレス機に装着した例

テスト撮影

解放から1段絞りくらいでオーディオアンプを撮ってみました（すいません、F値うろおぼえです）。
手にカメラを持って撮影したので、対照物への距離が左右で均等ではありません。主に、左上のロゴの部分にフォーカスしています。

※クリックするとオリジナルサイズで表示します。

やはり、解放から1段絞りくらいでで奥にあるスピーカーのコーンにピントを合わせています。手前のアンプのボケ方などもご確認ください。

※クリックするとオリジナルサイズで表示します。

絞り開放で、1番手前のつぼみにピントを合わせています。解放だと少し描写が甘いように感じます。

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絞り開放でオートバイのエンジン部分にフォーカスしました。

※クリックするとオリジナルサイズで表示します。

同じくオートバイのエンジン部分にフォーカスしていますが、こちらはF5.6に絞って撮影しています。だいぶキリッとします。

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オートバイのサスペンション部にピントを合わせてみました。
絞り開放です。

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F5.6に絞ってみました。ボケ味の変化をご確認ください。

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少し露出アンダー気味にするとグッと色気が増します。

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無限遠もバッチリ。遠くの木の輪郭、葉の部分でご確認ください。

※クリックするとオリジナルサイズで表示します。

PENTAX Super-Takumar 50mm F1.4（前期8枚玉）